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インテリアリハビリテーション(R)

医療福祉施設における整理収納の効果

特別養護老人ホーム様でのケアに活かす環境づくりについて
現場アドバイスをさせていただきました。

はじめのご相談箇所は、倉庫。
あまり使わないものを置いているとのこと。
上部空間も空いているし、棚を作るなどして収納力UPと取り出しやすさを
実現したいとのご希望でした。

内部の様子を見てみると、荷物が重なっていて取り出すときに
怪我をする危険性もありそうだったり
入り口近くまでモノが置かれているので
効率的に取り出しにくそうだったり、
さまざまな問題点が見受けられました。

しかし、そもそも「あまり使わないモノ」を収納しているとのこと。
いま一度要不要を見直し、もう手放すべきものがあるならば処分し、
数を減らしてから収納計画は考えたほうがよいと感じました。

そんな話をしているとき、ふと一番奥にある「足踏みミシン」に目が留まりました。
良く見てみると、あまり傷んでいる様子もありません。
ミシンのブルーグレーの色もよい雰囲気でしたので
リハビリ室に置いてみませんか、とご提案してみました。

ご利用者様の作品を展示する台として使用してもよいし、
リハビリ中の休憩時にお茶を飲むテーブルにしてもよいし、
なにより懐かしい雰囲気のする足踏みミシンは
使えなくても見ているだけで昔話が弾み
回想療法の道具になるのではと思ったのです。

このアイデアは思いつかなかった!!!と、
環境づくりの担当者である作業療法士さんにたいへん喜んでいただきました。

そして1週間後、ご報告メールをいただきました。

ミシンをリハビリ室に置いてみました。

想像以上に、利用者様が注目されて
「このSINGERってミシンは今の三菱のメーカーなんだよ」とか
「亡くなった嫁が使っていたのと一緒だね」とか
素敵なエピソードを引き出してくれる一職員のようです。

今日は、実際に足で踏んでみる利用者様があり、
脚の運動に良いねと何回も足部の運動をされてました。

嬉しすぎて、報告させて頂きました(^^

 

こちらのほうこそ、嬉しすぎるご報告、ありがとうございます。
壊れているのかと思っていましたが、まだ使えたんですね!
実際に使用されるご利用者様もいらっしゃったとのこと、
素敵な作業療法の機器じゃありませんか!?

足関節の底背屈運動にも使えますし、
縫うスピードを見ながら、足の動きを加減するって
高度な協調運動ですね。

倉庫で眠っていた足踏みミシンが、
注目され、活用される存在になって本当によかったです。

==========

リハビリ室内の、小物収納の棚。
もう一段、棚があればすっきり収納できそうだと感じ
簡単にできる方法をお伝えしました。

   

寸法を正確に測って、ホームセンターの方に切ってもらい
ビスも接着剤も使わず、積み木のように組むだけ。
サイズが合っていれば、くずれません。

こちらもスッキリ収納できて、とても取り出しやすくなっています。

==========

モノが取り出しやすくなることで生まれた時間、
倉庫で眠っていた足踏みミシンが、まるでスタッフのように利用者様から
なつかしい話題を引き出してくれることで生まれた時間、
この時間は、スタッフの方が直接接することが本当に必要な方のために
活用することができます。

医療福祉施設における環境づくり、
なかでも整理収納は、安全で効率的な職場環境を作ることにとどまらず
患者様、ご利用者様に接する時間を生み出し
よりよいケアに直結していくものなのです。

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