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インテリアリハビリテーション(R)

「チア・アート×医療デザイン~医療現場でのアートとデザインの実践から見えたこと~」日本医療デザインセンター様勉強会

ごきげんよう!
池田由里子@インテリアリハビリテーションです。

このたび、はじめて
日本医療デザインセンター様の勉強会に参加させていただきました。

医療の課題をデザインで紐解く勉強会。
ゲストはアートデザインコーディネーターの岩田祐佳梨さん。

おそらく活動名が異なるだけで
目指すことや、実践内容は重なる部分が多く
ひたすら共感し、また多くを学ばせていただくひとときでした。

センター代表理事でいらっしゃる桑畑様の質問が素晴らしく
同じことを自分が訊ねられたら
どのように回答するだろうかと内省できたこともよかったです。

当日の様子はyoutubeでご視聴いただけますので
是非ご覧になってください。

ここでは、当日の視聴で私自身が感じたこと、
気づきや思いなどをまとめてみたいと思います。

①動画18;00頃
桑畑さんから岩田さんへの質問
「すっきりした部屋ってどんどんモノが増えたり
装飾したがる人がいると思うんですけれども
そのあたりは任せているのか、
あえてコンセプトを打ち出してコントロールというか
要素が増えないようにガイドラインを作っているとか、
どんなふうにされているのですか?」

まさに、まさにそうですよね、この質問に深く画面の前で頷いていました。
お引渡しの後、空間の雰囲気と異なるモノや装飾が増えてくることはよくあります。

インテリアリハビリテーション®的にはこのような場合
スタッフの皆様へ、「デザインのトリセツ(取り扱い説明)」を実施して
空間の目的やコンセプトなどをご理解いただくようにしています。

今後この空間を職員の方が自ら維持し、より良くしていくために
モノが増えることは「整理収納」、装飾については「飾り方」という内容で
研修会なども行っています。

事例の病院では、活動スタート時から
スタッフの皆様とワークショップを行っていたのだそうです。
コンセプトなどは十分理解していただけていると思いますし
とくにガイドラインなど作らなくても
自然にこのままの雰囲気でキープしてくださっているとのことでした。

②ここで出てくるキーワード「ワークショップ」

空間を作り上げるのに、職員の皆様とワークショップを行っているとのこと。
素晴らしい取り組みだと感じます。

どういうケアがしたいのか、どういう場をつくりたいのか、
実現できるかどうかは別として、どんどんアイデアを出していただくのだそうです。

デザイナーがやってきて、作ってくれたものを与えられて、、、という手法ではなく
自分たちも一緒に作り上げた、という体験が
非効率に見えても、長く使い続けていただくのによい、とのお話。

まさに職員の方達が
あてがわれた職場、、、という、関心のない空間ではなく
自分たちの考え、想いが反映された空間を
完成後「自分ごと」として使っていくのでは
場の活かされ方が全く違うことでしょう。

環境をケアに活かすことを、自然と考え始める職員の方が増えてくることでしょう。

職員の方にお話を伺いたいとお願いすると
業務の合間にお付き合いいただかなくてはならず
経営者様によっては
プロにお願いしているのだから、そちらでよいものを提案してほしい、と
お考えの方もいらっしゃいます。
悩ましい現実もあります。

弊社では、環境づくりのご相談があった場合
実践型研修をご提案しています。

理論や考え方を研修でお伝えし、次の研修までに各部署で実践、それを発表していただきます。
各部署の取組発表は、別の部署の方にもよい刺激になるようで
座学と実践を繰り返し、環境づくりを自ら考え、継続できるスタッフが育成されます。

施設は単なる箱ではなく、
素晴らしいケアや医療を実践するための「舞台」なのだと思っていただきたいのです。
あくまで背景なのかもしれませんが、それはその場に集う人やサービスをより輝かせます。

③桑畑さんが、終盤、核心にせまる質問をされました。
「素晴らしい取り組みなのですが、それは大学、大学系列病院という流れで
できたところもありますよね。
これが企業と普通の病院の場合、そう簡単にはできないと思う。
このような取り組みを広めていくにはどうすれば?」

まさにそうなのです、、、
素晴らしい取り組みでも、広めること、採用していただくのは難しい。
本気で広めたいなら、何ができるのか、何をすべきか、
今一度私自身にも問われているような気持ちがしました。

先日読んだドラッカーの書籍にこんな言葉がありました。
「よき意図だけでは、転落の道をたどる」

病院が綺麗だと居心地いいよね、自己治癒力も促されるよね、、、
そこは誰もが考えること。

それを、よき意図で終わらせず、どうすれば
施設がよりよい環境であり続けられるか、
具体的な成果や目標など、こちらの質問から、再構築する必要性を感じさせられました。

==========

長い文章となりました。
お付き合いいただき、ありがとうございます。

当日グラフィックレコーディングを担当していた豊原りょうこさんのご紹介で
勉強会終了後
チャットにて理事の野崎様とお話する機会をいただきました。
ご縁に感謝いたします。

↓豊原さん作・当日のグラレコ
(お知らせイラスト、当日のグラレコ、りょーこちゃんの活躍も嬉しい!)

あらためまして
日本医療デザインセンター様
https://mdc-japan.org/
特定非営利活動法人チア・アート様
https://www.cheerart.jp/
ますますのご活躍とご発展をお祈りいたしております。
今後ともよろしくお願いいたします。

貴重なお話をお伺いし、多くの気づきをいただきました。
ありがとうございました。

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